新井 尚子

現在私は、相続センターの担当者としてお客さまからの相続に関するご相談に対応すると同時に、事業開発推進本部として全社的な相続ビジネスの拡大に向けた企画業務を兼任しています。
辻・本郷 相続センターは、全国50カ所に展開し、250名ほどのメンバーが稼働しております。事業開発推進本部では、全国の相続センターと連携をしながら、「案件獲得ルートの拡大」「お客さまのニーズの深掘り」「情報発信（広報）」「業務の効率化」「人材育成」の5つのテーマを軸に、相続案件の拡大に向けて各施策を企画・実行しています。
相続税の申告は、相続発生から10カ月以内に完了させなければいけません。その期間で、合理的かつできるだけお客さまの希望に沿う形を模索しつつ、身内の不幸に直面をしているお客さまの心情に寄り添いながら対応していく必要がある業務です。各施策の企画推進をする上でも、実務担当者の意見や現場の実情を反映させるよう日々心がけています。

銀行に勤務していたころ、相続案件は提携していた税理士の先生と協働して対応していました。当時感じていたのは、税理士は中立的な立場からお客さまにとって最善の提案をすることができ、お客さまからの信頼も金融機関の担当者以上に高いケースも多いということです。一方で、営業スキルや、金融商品や不動産に関する知識というのは担当の税理士の先生によってバラつきがありました。今、私はその税理士側の立場にいるわけですが、今後は自分自身が銀行時代に得た経験を活かして、お客さまに対しよりよい総合的なご提案ができるよう努めていきたいです。
また、職場環境の観点から銀行時代と今を比較すると、相続実務においても企画業務においても、今の環境のほうが自分の考えに基づいた自由な提案ができるようになったと感じています。提案は認められればすぐに実行が可能であり、チャンスを逃さず手を打つ風土が根付いています。この意思決定のスピードと実行力は、仕事におけるやりがいにもつながっています。

相続にまつわる実務でも、企画業務でも、これまで自分が経験をしてきたこと一つ一つが活きており、自身の成長ややりがいを感じています。転職組であり、異なる環境に身をおいたことで物事や視野が広がったこと感じることも多く、お客さまに対して、税務だけではなくお客さまのライフプランを幅広い視野から提案できる存在でいたいと思っています。
また、これは銀行に勤めていたころから思っていたことですが、日本という社会では金融や経済や税務について学ぶ機会が少ないと感じています。そのようなことを学ぶ機会を、社会に提供するような業務にも取り組んでみたいと思っています。辻・本郷のような自由で意思決定の早い組織なら、そうした機会を提供できる可能性が充分にあると考えています。