原 有美

入社後は資産税を専門とする吉祥寺事務所に配属となり、相続業務に携わりました。相続の仕事は、法人の顧問業務とは全く違い、案件ごとに関わる人も必要な対策も違う、まさに一期一会の世界。そして、申告期限の10カ月という限られた時間の中で信頼を得て業務を完遂させることが必要という状況は、前職での経験やスキルも活かせましたし、やりがいもある仕事と感じました。
また、相続業務は、身内を亡くされた悲しみに動揺する人の心に寄り添った仕事の進行が求められます。税法・民法・不動産等の幅広い分野の専門知識が必要ですが、お客さまの心情面への配慮やきめ細やかな心配りも非常に重要です。その点では女性であることでお客さまに安心いただける場面も多く、相続に必要な専門スキルを早期に習得するうえで女性であることが追い風になったと思っています。
所長の丁寧な指導やサポートのもと、短期間で数多くの実務経験を積み上げることができた結果、入社1年で吉祥寺事務所の所長を任されることになりました。

パートナー、所長、あるいは相続センター長はマネジメント職であることは確かですが、チームが抱えるほぼすべての案件に関わり、進捗を把握し、担当者からの相談に判断を下さなければならないため、トップセールスの自覚を持つことが必要だと考えています。私にとってはお客さまとの面談が仕事の上で最も楽しい時間ということもありますが、私が案件紹介をいただいたお客さまの初回面談は基本的に自ら対応しますし、現在でも毎日お客さま訪問を繰り返す日々を送っています。現在年間100件以上の相続税申告に携わっていますが、千差万別の経験を積み重ねることが、自分の課題解決ノウハウの引き出しを増やすことにつながっていますし、チームのメンバーからの相談に間違いのない判断を下すことができる自信の根拠となっています。そのほか、金融機関主催の相続セミナーで講演を行う際や金融機関職員の方からの質問対応をする際にも、積み重ねてきた経験を活かせますので、新規顧客の紹介をいただくことにもつながっていると思います。
不動産の営業としてさまざまなお客さまと重ねてきたコミュニケーションのスキルは、税理士だけを目指して歩んできたキャリアの方にはない武器だと自覚しており、同じように他業種でコミュニケーションスキルを習得した方には、ぜひ、辻・本郷を志望してほしいと思っています。

最近では吉祥寺事務所の所長に加え、新宿の相続センター長、そして事業開発推進本部の仕事、つまり全国の相続センターの業務改善や案件ルート拡大に関する施策を企画し展開する仕事も兼任するようになりました。
相続に関わる仕事は自分にとって天職だと思っていますし、辻・本郷は今後も相続件数全国トップを維持し続けると思います。その中での今後の私の役割は、全国の事務所長が営業しやすい環境をつくること、結果を残しやすい状態にすることだと考えています。所長の決裁権は非常に大きく、一国一城の主として自由にやりたいことに取り組める状態です。そんな所長たちがより活躍できるように、私の経験やノウハウを活かすことが使命だと思っています。
そして、これまでに重要な業務を任せてくださった方や、支えてくれたチームのメンバーの期待以上の仕事をしたいと思う気持ちが、これからも辻・本郷での仕事に全力で取り組んでいく原動力となっています。